絶滅してしまったはずが……:再発見された動物たち
1912年を最後に目撃証言が絶えたため絶滅してしまったと考えられていたオーストラリア産の夜行性インコ、ヒメフクロウインコ。しかし、BBC放送は、2013年にオーストラリアの博物学者ジョン・ヤングがこの鳥を再発見したと報道した。
写真:SciNews
オーストラリアで暮らす夜行性のネズミ。一時は絶滅したと考えられていたが、まだ存在することがわかった。
BBC放送によれば、クロアシネズミは黒い脚と白黒の長い尻尾を特徴とし、体重はおよそ800グラムと大型。一般的なネズミ(写真)が200グラムほどであることを思えば、その大きさがおわかりいただけるだろう。
写真:Brett Jordan/Unsplash
山火事やネコによる捕食で個体数を減らしたクロアシネズミは1987年に絶滅が宣言されたが、2017年に再発見されることとなった。
写真:Black-footed tree rat / Terra Ranger
唾液に毒をもつ珍しい哺乳類、キューバソレノドン。トガリネズミに似た姿でキューバに生息していたが、1970年には絶滅が宣言された。しかし、アメリカ自然史博物館によれば、4年後に生きた個体が発見されたという。
写真:Wikimedia Commons
しかし、キューバソレノドンは天敵も多いほか、生息地の環境破壊も進んでおり、専門家たちは絶滅の危機が去ったわけではないと警鐘を鳴らしている。
写真:Wikimedia Commons
太平洋に浮かぶニューカレドニアで暮らす、体長50センチメートルほどの巨大なトカゲ。『ナショナル・ジオグラフィック』誌によれば、100年あまり前に絶滅したと見られていたが、1993年に再発見されたとのこと。
写真:Wikimedia Commons
「テラートカゲ(恐怖のトカゲ)」という英名は、鋭い刃物のような歯で貪欲に獲物を捕らえることから。2003年、2009年、2013年、2018年と立て続けに姿を現している。
写真:PLOS ONE
100年あまり前に絶滅したものと考えられていたガラパゴスゾウガメの亜種、フェルナンディナゾウガメ。米国のNPO「Galapágos Conservancy」によれば、2019年に生息が確認されたという。
フェルナンディナ島の北西部で発見されたこのゾウガメはメスで、およそ50歳。現在はガラパゴス国立公園のゾウガメ保護センターで暮らしている。
ニュージーランド固有の飛べない鳥、タカヘ。ニュージーランド自然保護局によれば、ヨーロッパ人がこの鳥の記載を行う以前から、先住民のマオリ族は何世紀にもわたってタカヘを狩猟の対象としてきたそうだ。
タカヘは入植者がもちこんだ犬やネコをはじめとする捕食者によって個体数を減らし、一時は絶滅したものと見られていた。ところが、100年あまりが経った1948年、マーチソン山脈(ニュージーランド南島)に分け入った探検家たちの手によって再発見されることとなった。
現在、300羽ほどの個体が保護区で暮らしているが、『ガーディアン』紙の報道によれば、 2018年に30羽が本来の生息地に放たれたのを皮切りに、さらに2つの個体群が野生に戻されたとのこと。
絶滅危惧種とされるニシゴリラの亜種、クロスリバーゴリラ。カメルーンおよびナイジェリアの森林で暮らしているが、世界自然保護基金(WWF)によれば、現在の個体数は200~300頭にすぎないとされる。
写真:Wikimedia Commons
1904年に発見されたものの研究は進まず、1987年に少数の個体群が再発見されるまで絶滅したものと考えられていた。2009年になってようやく、幼獣を連れたクロスリバーゴリラの家族の姿が写真に捉えられることとなった。
写真: Wikimedia Commons
2023年現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストには15万300種が記載されており、4万2,100種あまりが絶滅危惧種に分類されている。
写真のオランウータンは「絶滅寸前(Critically Endangered)」とされる。(Dan Dennis/Unsplash)