心身に害をもたらす「超加工食品」:加工肉やお菓子にひそむリスクとは

生活を取り巻く「超加工食品」
超加工食品がもたらす害とは
ハーバード大学の研究
医療従事者10万人あまりがデータを提供
対象者は既往歴なし
定期的なアンケート
もっとも健康によくないのは加工肉や甘いお菓子
死亡率が4%上昇
相関関係は「中程度」
超加工食品すべてを排除する必要はなし
シリアルや全粒粉パンは大丈夫?
バランスの取れた食生活
生活を取り巻く「超加工食品」

健康を害するおそれがあるとして、最近、取りざたされることの多い「超加工食品」。こうした食品は心の健康まで損なうリスクがあると示唆する研究が発表され、注目を集めている。

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超加工食品がもたらす害とは

その研究とは、昨年8月の『Journal of Affective Disorders』誌に発表された、「メルボルン・共同コホート調査の対象者(成人)における、超加工食品の大量摂取とうつ病の指標となる精神的苦痛の相関」と題する論文だた。

ハーバード大学の研究

また、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院で臨床疫学および栄養学の教鞭を執るミンヤン・ソン博士が30年間にわたって続けた研究でも、超加工食品の摂取と早死にリスクの間には相関があることが示されている。

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医療従事者10万人あまりがデータを提供

ソン博士の研究は今年5月に、『BMJ』誌上で「超加工食品の摂取と死亡率(病気別および総合)の相関」という論文の形で発表された。1986年から2018年にかけて、米国の医療従事者10万人あまりから寄せられたデータを分析したものだ。

 

対象者は既往歴なし

CNN放送によれば、この研究では糖尿病やがん、心血管疾患の既往歴がない対象者のみが選ばれたという。そのような健康な人であっても、一部の超加工食品を過剰摂取すると、大きな健康被害を受けてしまうことがあると判明したのだ。

定期的なアンケート

30年間におよぶ調査期間中、対象者は2年ごとに、健康やライフスタイルに関するアンケートに回答。さらに、食習慣に関する詳細なアンケートは4年ごとに行われた。

 

もっとも健康によくないのは加工肉や甘いお菓子

ミンヤン・ソン博士がCNN放送に対して語ったところによれば、加工肉や糖分の多いお菓子や清涼飲料は穀物ベースの超加工食品よりもはるかに健康によくないそうだ。

 

死亡率が4%上昇

論文によれば、加工肉や甘いお菓子、清涼飲料をもっとも多く摂取した対象者グループは死亡リスクが全体で4%高く、神経変性疾患に関する死亡率では9%も上昇したという。

相関関係は「中程度」

ソン博士いわく、超加工食品と死亡率上昇の相関関係は「中程度」であり、「なかでも、糖分・人工甘味料を含む飲料や加工肉といった一部の食品が正の相関をもたらしている」とのこと。

超加工食品すべてを排除する必要はなし

同博士によれば、あわてて超加工食品すべてを食卓から排除する必要はない。もっとも危険な加工肉や甘いお菓子の類を避けるようにすればよいのだ。

 

シリアルや全粒粉パンは大丈夫?

また、「シリアルや全粒粉パンも超加工食品とみなされるが、食物繊維やビタミン、ミネラルといった栄養素が含まれている」ため、不安になる必要はないそうだ。

 

バランスの取れた食生活

ソン博士も指摘しているように、結局のところ大切なのはバランスの取れた食事だ。総合的に見て健康な食生活を送っていれば、超加工食品を少々口にしたからといって、ただちに不健康になるというものではないのだ。

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