過去25年間で最大規模の地震が発生した台湾、死者数13人に
今月3日午前8時ころ(現地時間)、台湾東部の花蓮県でマグニチュード7.4の地震が発生した。台湾で起きた地震としては過去25年で最大級だという。震源地は花蓮県沖およそ25キロの海域で、震源の深さはおよそ15キロとされている。
6日午前、生存率が急激に下がるとされる「発生後72時間」が経過。いまだ連絡の取れない6人の捜索が懸命に続けられる一方で新たに3人の死亡が確認され、今回の地震による死者数は13人となった。
台湾東部に位置する花蓮県は太平洋に面し、峡谷が連なる景勝地として知られている。BBCによれば、比較的人口の少ない地方だが同県における負傷者は1,000人以上に上るという。
今回の地震による犠牲者のうち5人は落石で命を落とした。そのうち3人は、地震発生時に花蓮県のハイキングコースを歩いていた行楽客であることを毎日新聞等が伝えている。
また、この地震により倒壊した建物やトンネルに120人以上が閉じ込められたとされる。台湾当局はロイター通信に対し、各地で救出作業がすすめられていると語った。
写真:Unsplash/Han-Hsing Tu
さらに、土砂崩れや落石により道路が寸断されて観光名所の太魯閣渓谷を中心に600人以上が孤立状態におかれた。しかし6日になり一部の道路が復旧。約200人の避難が完了したと朝日新聞等が伝えている。
写真:Unsplash/Rain Liu
台湾の次期総統である頼清徳氏は花蓮県の倒壊した建物の前で報道陣に対し、「現在、最も重要かつ最優先で取り組むべき課題は人々の救出だ」と明言した。
台湾の消防庁はメディアに対し、全国で100棟以上の建物が倒壊したと発表。そのうちもっとも被害が大きかったのは震源に最も近い花蓮県で、とくに花蓮市中心部では「天王星ビル」と呼ばれる9階建ての建物が大きく傾き、1人が命を落とした。
大きく傾いた花蓮市内の建物は倒壊のおそれがあり危険なため、5日から解体工事がすすめられている。
台湾電力によれば、今回の地震により全国8万7,000戸以上で停電が発生したものの徐々に復旧しているほか、2か所にある原子力発電所は影響を受けていないという。
地震発生後には台湾のほか、フィリピンや日本の沖縄県地方でも一時、津波注意報が出された。NHKによれば、沖縄県では避難中の転倒などで4人が軽いけがを負ったという。
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台湾では日本と同じく震度が1から7まで設定されている。CNNによれば、台湾の気象当局は4月3日に花蓮県沖で発生した地震について、「震度6強」の揺れを観測したと発表した。
今回の地震に対する台湾政府の対応は早く、地震発生から4時間で体育館等に避難所が設置された。しかも冷暖房に加えて温水シャワーやトイレも備えていることが日本でも注目されている。台湾では有事に備えて避難場所や備蓄などがすぐに動かせる体制がととのっていると、TBS等が伝えた。