止まらないロシア軍からの兵士流出:1,000人以上からなる連隊全体が脱走
3年前、プーチン政権は突如としてウクライナへの侵攻を開始した。当初、ロシアは短期で決着をつけられると見込んでいたものの、長引く戦闘にはいまだ終わる気配は見えない。
2022年2月に首都の早期攻略を目指したロシア。ウクライナ東部のドンバス地方を急速に制圧し、一時は首都キーウを包囲していた。
しかしながらゼレンスキー大統領の下、団結したウクライナの抵抗と粘り強さは予想以上で、ロシアは現在でも苦戦を強いられている。
侵攻開始からほぼ3年が経過した現在、両国は共に疲弊しており、国民の間にも厭戦の気配が出ているが、戦争の終わりは見えていない。
米誌『ニューズウィーク』は、ロシア南西部ヴォルゴグラードに駐屯していたロシア軍第20親衛自動車化狙撃師団から、1,000人以上の兵士からなる連隊全体が集団脱走したと報じている。
同誌によれば昨年7月までの時点で、ロシア軍兵士の脱走者数がのべ1万8,000人に達していた可能性もあるという。
ウクライナ国民が一丸となって祖国防衛に取り組む一方で、ロシア国民は「特別軍事作戦」の正当性を完全に信じ切れてはいないようだ。
ロシア国民の間で絶大な人気を誇っているプーチン大統領だが、戦争が長引くにつれその舵取りを不安視する声も少なくない。
今回の戦争でロシア軍兵士の死傷者数を正確に知ることは不可能だが、米誌『ニューズウィーク』はウクライナ当局の情報を引用し、死傷者数は72万人を超えるとしている。
米誌『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』は昨年9月に、ロシア軍から離反した兵士についての報告が上がってくることはないため、ロシア軍の正確な脱走兵数を知ることはほぼ不可能だと報じた。
ロシア軍を離脱し、他国に避難した脱走兵たちも、報道陣の前に姿を表すことはほとんどないため、その実情を把握することは難しい。
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