知られざる航空機のひみつ15選:壊れた個所はテープで直せる?
現代が生んだおどろくべき発明品、航空機。この発明品について、おそらくあなたも知らない15の事実をまとめて紹介しよう。
『ワシントン・ポスト』によれば、航空機の整備士は特殊なテープを使って(これはスピードテープと呼ばれる)飛行機のキズを手当てすることがある。もっとも連邦航空局が言うように、これはあくまで応急処置で、構造用金属材部品以外の軽微な損傷にかぎって用いられる。
Chris Bainbridge, Own work, Wiki Commons
15時間のフライトのあいだ搭乗員たちはどこで休憩をとっているのか、気になるところだ。CNNによると、彼らは「クルーレスト」へひっこんでいる。広胴型のジェット機、たとえばボーイング787やエアバスA350などにその区画が設けられており、形状としてはカプセルホテルをさらに小さくしたような感じ。
フライトレコーダー(またの名をブラックボックス)は、ブラックではなくオレンジ色、さらに言えば「インターナショナルオレンジ」という色に塗装されている。航空にまつわるニュースサイト「Simply Flying」によると、たとえば不時着時などに見つけやすい色だからだ。
飛行機でいちばん汚い箇所は、何を隠そう、あの折りたたみ式のシートテーブルである。ネットサイト「Travelmath」によると、そこは飛行機でもっともバイキンがたまる場所だ。シートテーブルには1インチ四方にざっと2155コロニー形成単位が存在しており(コロニー形成単位とは微生物が集まってできる集落の数えかた)、一方トイレの「流す」ボタンは、265コロニー形成単位だという。
酸素マスクが降りてくれば、空の一大事もなんとか乗り切れる……そういう考えはいっそ捨てたほうが賢明かもしれない。たとえばボーイング737の酸素マスクからは、たったの12分間しか酸素が供給されなかったとのこと。ギリシャの独立行政団体「Air Accident Investigation and Aviation Safety Board」が2006年に報告した。
ボーイング社のデータによると、フライトでもっとも危険となるのは着陸時である。2007年から2016年にかけて、全死亡事故の24%が最終進入時(滑走路に向きを合わせるところから接地直前まで)に発生し、おなじく24%が接地時の死亡事故である。
ボーイングによると、飛行機の運航を離陸・巡航・着陸の三段階に分けたとき、着陸は全運航時間のおよそ5%にあたるが、巡航時間はおよそ57%を占める。航空会社のレビューサイト「Airline Rating」によれば、2007年から2016年にかけて、巡航中の死亡事故は全体の11%にとどまっている。
ウクライナ製のAn-225は、ニュースサイト「Best Life」によると、世界一重い航空機だった。その重量は泣く子もだまる591.7トン、マッコウクジラを12頭連れてきてもまだ足りない。この航空機は2022年、ロシアのウクライナ侵攻中の爆撃によって破壊された。
2015年、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』は、もっとも危険な飛行機の座席は機体中央部の座席であることを発見した。不時着時の死亡率は39パーセントだという。航空機の座席を機体の前方・中央部・後部座席の三つに分けたとき、一番安全なのは後部座席で、その死亡率は32%。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の2007年の記事によると、航空会社のなかにはブランケットを30日にいっぺんしかクリーニングに出さないところもあるという。コロナウイルスのパンデミックによって状況も変わったかもしれないが、寒さ対策には自前のセーターを持ち込むのが無難だろう。
旅客機のトイレもいちおう鍵はかかる。だが、客室乗務員はどんなドアも外から開けることができる。そう伝えるのはウェブサイト「Thrillist」である。だからもしあなたが「高度1マイルクラブ」の入会儀式をするさいには(つまりトイレでだれかとことに及ぶときには)、いつ邪魔がはいるとも限らない。
旅行雑誌『Travel + Leisure』によると、機内のインテリアにはブルーが選ばれることがほとんどだという。心を静めることはもちろん、ブルーは「能力・信頼性・知性を象徴しており、それらはまさしく飛行機の乗客たちが、乗り物と搭乗員とに期待する特質そのものだから」というわけだ。
これはどこかで聞いたことがあるかもしれない。二人のパイロットは別々のメニューの食事をとる。これは都市伝説ではなく、『リーダーズ・ダイジェスト』によると真である。この慣例が始まったのは、ボストン発ロンドン行きのフライトで二人のパイロットが食中毒を起こし、ボストンに引き返す羽目になったことがきっかけだとか。
これも『リーダーズ・ダイジェスト』からの情報。飛行機の窓は何枚かのガラス板が重なっているが、窓の下のほうに小さな穴が空いている。この穴から圧力を逃してやることで、サンドイッチされているガラス板が飛行中にも傷まずに済むという仕組み。
『ビジネス・インサイダー』によると、機内の照明がほの暗いのは、眠りをさまたげないという効果もあるが、それとべつに重要な意味が隠されている。じつは安全上の予防措置であり、いざ緊急脱出となった際に、外の暗さにあらかじめ目を慣れさせておくという意味があるのだ。