14世紀ヴェネツィアで記された予言書:「2024年に起こる災難」の多くが現実に

予言書『ジバルドーネ・ダ・カナル』
数学とビジネスに関する情報が満載
ことわざのリストまで付いている
ヴェネツィア商人の本に隠された秘密
ノストラダムスとは別の予言者
ヴェネツィア商人の予言
直近にも的中した予言
人類が直面する数多くの死
大昔の予言の的中が証明された
2024年に予想されていること
平年並みの2024年の冬
洪水、戦争、疫病
鉄がもたらす大量の死
米国における疾病
ヨーロッパと3つの脅威
洪水や戦争の予言は
予言書『ジバルドーネ・ダ・カナル』

14世紀にイタリアでしたためられた『ジバルドーネ・ダ・カナル』という予言の書がある。中世社会にみられた破滅や災厄を予言する不可思議な文書のひとつに数えられるが、ただの予言書ではなく、未来を予見するための方法が書きこまれたガイドとでも言うべき一冊だ。いったいどんなものなのだろうか。

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数学とビジネスに関する情報が満載

中世を専門とするオンラインメディア『ザ・メディエバリスト』によれば、14世紀にヴェネツィアの商人によって書かれたこの予言書は、その豊かな情報によって歴史家たちを驚嘆させてきたという。数学の問題から交易に最適な港の場所に至るまで、ありとあらゆる内容が書きこまれていたのだ。

写真提供:Wiki Commons By Canaletto

ことわざのリストまで付いている

『ジバルドーネ・ダ・カナル』を著したヴェネツィア商人は、心に留めておくべきことわざを本のなかに詰めこんでいた。たとえば、 「愚者の心は口にあるが、賢者の口は心にある」などである。

ヴェネツィア商人の本に隠された秘密

この本には、14世紀の中世ヨーロッパの生活を明らかにするような情報が詰めこまれている一方で、この先の将来を占おうとする人々にとっても、かなり興味深い情報が含まれている。だがそれは、想像をはるかに超えたものだ。

写真提供:Wiki Commons By Gentile Bellini - The Yorck Project

ノストラダムスとは別の予言者

中世の予言書といえば、当然ノストラダムスとその「予言」がまっさきに思い浮かぶ。しかし、 『ジバルドーネ・ダ・カナル』はノストラダムスとは大きく異なる。『ザ・メディエバリスト』は、その予言の魅力を解説している。

ヴェネツィア商人の予言

このヴェネツィア商人の本には、1月1日が何曜日かに基づいて、その年に何が起こるかが説明されている。しかし、このような予言をどの程度信じてもいいのだろうか。

直近にも的中した予言

2020年1月1日は水曜日だった。『ジバルドーネ・ダ・カナル』によると、水曜日から始まる年は穀物が不作だが、蜂蜜と牛乳は豊富になると予測していた。冬は暖かく、春は湿気が多く、秋は温暖と書かれている。

写真提供:Wiki Commons Public Domain

人類が直面する数多くの死

ここまでは良い予言に思えるが、英紙『デイリー・スター』の指摘によれば、水曜日から始まる年は飢餓だけでなく「赤痢や人々の多くの死」にも直面することになると記されているという。これは、2020年に実際に世界が直面したことに不気味なほどよく似ている。

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大昔の予言の的中が証明された

英紙『エコノミスト』によると、実際に2020年の北半球の冬は観測史上最も暖かく、世界はここ100年余りで最悪のパンデミックにも直面していた。つまり、14世紀の商人の予言は間違っていなかったのだ。

写真提供:Ales Krivec on Unsplash

2024年に予想されていること

2020年の予言に興味を惹かれて、2024年に起こりうる出来事も知りたいと思うかもしれないが、あまり良い結果ではないので、心の準備をしてこの先を見て欲しい。2024年1月1日は月曜日だったことから、洪水、喉の痛みに関連する病、鉄がもたらす多数の死が予想されている。

平年並みの2024年の冬

『ザ・メディエバリスト』に引用された翻訳によれば、ヴェネツィア商人は「1月1日が月曜日であれば、冬は平年並みの気候で、春と夏は穏やかになるだろう」と予言した。しかし、2024年はすぐに悪い方向に進んでいくようだ。

洪水、戦争、疫病

「大洪水と大病が発生し、蜂蜜もワインも穀物もほとんどなくなり、大寒波と氷が降り注ぎ、鉄にまつわる残酷な出来事による死者数が増え、喉の痛みから生じる病によって多くの人が死ぬだろう」と商人は記している。

鉄がもたらす大量の死

『ザ・メディエバリスト』は、この予言は短いものだが、示唆に富んでいると指摘した。私たちは、天候、食料供給、生命への脅威が何をもたらすかを知っている。それを考えれば、「鉄がもたらす死」は興味深い一節だ。同メディアでは、鉄は当時、戦いで用いる剣や矢に使われていたことから、戦争を意味する可能性が高いと述べられている。

写真提供:Wiki Commons 作成者:Jean Froissart

米国における疾病

14世紀に生きた中世の商人が予言していたことを、それほど真剣には捉えない人もいるだろう。しかし、アメリカ疾病対策予防センターが発表した1月2日のアメリカ全土の地図では、新年直前に米国でインフルエンザが増加していることが示されている。

写真提供:enters for Disease Control and Prevention (CDC)

ヨーロッパと3つの脅威

さらに英紙『フィナンシャル・タイムズ』は、欧州は「三重苦」と呼ぶ脅威と戦っていると報じた。具体的には、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス、英国でのインフルエンザ感染者数の大幅な増加により、医療システムが限界に達しているということだ。その症状の中で喉の痛みはそれほど問題になってはいないが、確かに不安を煽るような内容だ。

洪水や戦争の予言は

大洪水や戦争で多数の死者が出るという予言はどうだろうか。2024年を振り返れば、予言はかなりの率で的中したといわざるを得ないだろう。世界はいまも地政学的に非常に不安定な状況におかれている。ヴェネツィア商人の言葉がこれ以上現実とならないことを祈るばかりだ。

 

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