ロシアが使用した北朝鮮製の奇妙な兵器、ウクライナ軍に撃破される

ロシアを支援する北朝鮮
Telegramチャンネル上で公開された動画
ドローン攻撃で破壊
直接的な関与を示す証拠
初めて報告されたのは2024年7月
ウクライナ軍にとっては悪い知らせ
2024年7月時点での報道
「プルセ-4」とは何か?
メディア各社の報道
ドローンが発見
北朝鮮が独自開発
実際の射程距離はもっと長い?
装甲車両の射程圏外から攻撃
軍事技術の近代化を進める北朝鮮
2016年にお披露目
 従来の北朝鮮製兵器とは一線を画す「プルセ-4」
ミサイルを8発搭載
ハルキウ州ヴォウチャンシクで目撃された?
ミサイル6発を発射
旧ソ連の装甲兵員輸送車を改造
ニーズに応えるため
2024年6月に訪朝したプーチン大統領
その他の車両もロシアに供与された?
北朝鮮が多数の車両を供与する可能性
対戦車ミサイルでウクライナ軍と同じ土俵に立った?
北朝鮮は武器輸出国になるのか?
ロシアを支援する北朝鮮

2024年に北朝鮮と戦略的パートナーシップ条約を締結したロシアが、北朝鮮から武器支援を受けていることは広く認識されている。しかし、支援の詳細は依然として明らかになっていない。そんな中、ロシア軍が北朝鮮から入手したとされる北朝鮮製の奇妙な兵器がウクライナ軍によって破壊されたとみられる映像が公開され、注目を集めてい。

Telegramチャンネル上で公開された動画

件の動画は11月30日にウクライナの第3強襲旅団がTelegramチャンネル上で公開したものだ。

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ドローン攻撃で破壊

そこに映っていたのは北朝鮮製の対戦車誘導ミサイル「プルセ(火の鳥)-4」だった。軍事情報サイト「Defense Post」によれば、この「プルセ-4」はウクライナ領のハルキウ州でウクライナ軍のドローンにより撃破されたという。それにしても、なぜ北朝鮮製の対戦車ミサイルがウクライナで使用されていたのだろう?

画像:Telegram @ab3army

 

直接的な関与を示す証拠

同サイトいわく:「『プルセ-4』ミサイルシステムが撃破されたという事実は、北朝鮮がこの紛争に直接関与していることを示すさらなる証拠に他ならない」

初めて報告されたのは2024年7月

北朝鮮は2023年以降、軍事物資や部隊をロシアに送り、同国によるウクライナ侵攻を支援してきた。「プルセ-4」もその一環としてロシアに供与されたものと見られるが、実際にロシアの手に渡ったことが初めて確認されたのは2024年7月だった。

画像:X @ArmoredWar

ウクライナ軍にとっては悪い知らせ

2024年7月下旬に公開された動画は、ロシア軍がウクライナの戦場で「プルセ-4」を使用していることを示唆するものであり、ウクライナ軍にとっては悪い知らせだった。

2024年7月時点での報道
当時の報道によれば、SNS上で公開された映像を分析した結果、ロシア軍が北朝鮮から供与された自走式対戦車ミサイル「プルセ-4」を使い始めたものと見られる、とのことだった。
「プルセ-4」とは何か?

オンライン誌『The Diplomat』いわく:「『プルセ-4』は非直接照準(NLOS)型の対戦車誘導ミサイルだ。射程距離は10キロメートル以上と推定されており、米国の「FGM-148 ジャベリン」や中国の「HJ-12」にほぼ相当する兵器だと見られる」

 

メディア各社の報道

2024年7月の段階では、Telegramチャンネル「KUP(+18)」が公開した画像にもとづき、複数のメディアがロシア軍は北朝鮮製の対戦車ミサイル「プルセ-4」を前線に配備したようだと報じていた。

画像:Telegram @KUPua01

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ドローンが発見

ウクライナの軍事情報サイト「Militarnyi」によれば、郊外の開けた土地で「プルセ-4」らしきものを発見したのは偵察ドローンだったという。

北朝鮮が独自開発

「プルセ-4」は北朝鮮が独自開発した自走式対戦車ミサイルで、10キロメートル以上離れた標的を攻撃できるとされる。

画像:Telegram: @KUPua01

実際の射程距離はもっと長い?

しかし、「Militarnyi」によれば、北朝鮮製兵器に関するデータは不正確なことも多く、「プルセ-4」の射程距離も実際には25キロメートルに達する可能性があるとのこと。

装甲車両の射程圏外から攻撃

この推測が正しければ、「プルセ-4」は敵の装甲車両をその射程圏外から攻撃できるということになる。

軍事技術の近代化を進める北朝鮮

軍事情報サイト「Army Recognition」は「プルセ-4」について、北朝鮮が現在、取り組んでいる軍事技術の近代化の一環」であり、歩兵部隊の威力を高めるものだとしている。

2016年にお披露目

「プルセ-4」は2016年に北朝鮮の国営放送を通じてお披露目された。しかし、全部で何両製造されたのかは不明だ。

画像:X @ArmoredWar
従来の北朝鮮製兵器とは一線を画す「プルセ-4」

リアルタイムのデータ伝送と精確な射撃管制システムを備えた「プルセ-4」は、従来の北朝鮮製兵器とは一線を画すものであり、乗員の保護にも力を入れているとされる。

ミサイルを8発搭載

前出の「Army Recognition」によれば、「プルセ-4」は6輪駆動で、ミサイルを8発搭載しているとのこと。

画像:Army Recognition

ハルキウ州ヴォウチャンシクで目撃された?

『フォーブス』誌のデイヴィッド・アックス記者によれば、ウクライナに送られたロシア軍の「プルセ-4」はハルキウ州の主戦場となったヴォウチャンシク付近で目撃されたという。

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ミサイル6発を発射

ロシア軍の「プルセ-4」を発見したドローンオペレーターはXアカウント上で、この車両が「ロケット弾6発を発射して走り去った」ことを明かしている。

旧ソ連の装甲兵員輸送車を改造

アックス記者によれば、「プルセ-4」は北朝鮮が独自開発した兵器だが、車体のベースとなっているのは旧ソ連が開発した装甲兵員輸送車「BTR-80」の北朝鮮版らしい。

ニーズに応えるため

アックス記者いわく:「ロシア軍にとって、『プルセ-4』はますます高まるニーズを満たすものです」ロシア軍は開戦以来、対戦車ミサイルランチャー「シュトゥルム」および「コルネット」を50基ほど失っており、この損失を「プルセ-4」で補っているというのだ。

画像:Wiki Commons By VoidWanderer, Own Work, CC BY-SA 4.0

2024年6月に訪朝したプーチン大統領

2024年6月、ロシアのプーチン大統領は平壌を訪問し、金正恩総書記と会談。両者は包括的戦略パートナーシップ条約を締結し、関係強化を図った。

その他の車両もロシアに供与された?

首脳会談の場で「プルセ-4」の供与が議論されたかどうかは不明だが、この車両がウクライナで目撃されているからには、それ以外の北朝鮮製車両もロシアに移送された可能性がある。

 

北朝鮮が多数の車両を供与する可能性

アックス記者いわく:「ロシアと北朝鮮が6月に締結した安全保障条約の詳細は不明です。しかし、北朝鮮製車両の大量供与が含まれている可能性は高いでしょう」

 

対戦車ミサイルでウクライナ軍と同じ土俵に立った?

「The Diplomat」いわく、ロシア軍がウクライナで「プルセ-4」を使用しているというのが事実であれば、同軍はこの種の兵器の面でウクライナ軍と同じ土俵に立つことができるようになった可能性がある。なお、ウクライナは以前から西側諸国の先進的な対戦車ミサイルを受け取っていた。

 

 

 

北朝鮮は武器輸出国になるのか?

同誌いわく:「(ロシアによる『プルセ-4』の)取得はクライナの前線において重要な意味を持つが、それだけに留まらない。北朝鮮の軍事産業が朝鮮人民軍の発注先という枠組みを超え、輸出産業として発展しうるかどうかを占うものだからだ」

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