台湾で高まる懸念:2025年1月のトランプ大統領就任で米国との関係に変化?
米大統領選に勝利したドナルド・トランプ氏は、2025年1月20日に大統領に就任する予定だ。それを受けて米放送局CNNは、専門家や学者、政治家らを集めて、トランプ次期大統領の就任がアメリカと台湾の関係性にどのような影響を与えるか検討を行っている。
トランプ次期大統領は、前回の大統領在任中には台湾政府と友好関係を結んでおり、財政や軍事、外交などの面で強力な支援を行ってきたとされている。
一方、トランプ氏は前回在任中から日本に対しては、駐留米軍への経費負担増額を要求してきた。この考えは変わらず、2024年の大統領選挙中にも、日本は米国からの「保護」を受ける代わりにより多くの経費を負担すべきだと主張している。
このような日米関係と米台関係の差は、歴史的経緯にあるとされる。ニクソン元大統領の電撃訪中によって、米国と中国が国交を開いたことで、公式には米台関係は1970年代後半に途絶。しかし、台湾は現在でも米軍と良好な関係を築いており、両者の関係性は継続している。
台湾(中華民国)と中国(中華人民共和国)はともに自らを「正当な」中国政府であると主張しており、両者は複雑な外交関係を結んできた。中国本土の政府は台湾併合を目指しており、そのための「一国二制度」を推進している。米国としては、このような台湾併合は阻止したいという構えだ。
このような経緯から、CNNは台湾が日本や韓国の米軍基地とは立場が異なると主張。台湾は原則として武器の購入費用を支払う必要がないとし、米国は依然として台湾の主な武器供給国であり続けるだろうと推測している。
一方、CNNによれば、トランプ次期大統領は台湾が米国の半導体産業を「盗んだ」とも主張しているという。この発言が台湾のハイテク産業界に不安と懸念を生み出しているようだ。
トランプ次期大統領については、この件に限らずさまざまな発言が周囲を驚かせており、外交関係に関して予測不可能性が懸念点として挙げられている。
英放送局BBCによれば、トランプ次期大統領は自身2度目となる大統領就任式に中国の習近平国家主席を招待したという。これまで米国大統領の就任式に外国の国家元首が出席した例はなく、異例の招待のようだ。
BBCによるとトランプ次期大統領は対中政策について2点を強調。第一に、米国の産業を守るため、中国製品への関税を上げることである。第二に、「中国共産党という大きな脅威」に対処するための軍事的・外交的政策を進めることだ。
その一方、トランプ氏は習近平国家主席への称賛とも受け取れる発言をしている。10月にはジャーナリストのジョー・ローガン氏のポッドキャストで次のように語った。「習近平氏はその力で14億人を支配している。つまり、好き嫌いに関わらず、彼は並外れた人物だよ」
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に